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『もうすぐドラフト会議』プロ野球のスカウトが見る選手のポイントはココ!



ドラフトまであと1日。

各球団とも指名選手の絞り込みに追われ、眠れぬ夜を過ごしているに違いない。春先には300人ほどいるドラフト候補を、半年後にはおよそ5分の1、そして最終的には10人前後まで絞り込む。その作業をするにあたって、大きく関わってくるのが、スカウトたちの”目”だ。投手なら、球が速い、変化球のキレがいい、野手なら、長打力がある、足が速い、守備うまい……といった単純なものではない。

 

最速157キロ右腕・安樂智大(済美)はスカウトたちの目にどう映るのか? 拡大する 最速157キロ右腕・安樂智大(済美)はスカウトたちの目にどう映るのか?

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以前、こんなことがあった。高校野球の九州大会でのこと。フィールディングが抜群にうまい遊撃手がいた。打球に対する反応の速さ、捕球のうまさ、フィールディングの良さ。前評判はそれほどでもなかったが、実際に目の当たりにすると「モノが違う」とすぐにわかる身のこなしだった。

 

彼のプレイに見とれていると、たった今まで一緒に観戦していたスカウトの姿がなくなっていた。トイレにも行ったのだろうと思っていたら、ダグアウトの上の父兄が応援しているスタンドの中にそのスカウトの姿があった。スカウトの視線はグラウンドではなく、応援に夢中になっている父兄たちに注がれていた。

 

「どんなお母さんかなと思ってね。体格、顔つき、態度……お母さんを見れば、その子がどんな子か、大体わかります。直接話をするのは差し障りがあるから見るだけだけどね」  ちなみに、その選手は今、ある球団で持ち味である高い守備力を発揮して活躍している。

 

もちろん、投手にも「見ておくべきポイント」というのがあるという。  たとえば、初球の入り方、用心深さ、変化球でカウントを奪える技術、3球で打者を追い込む球威とコントロール、3ボールになってからの粘り、勝負球の威力。さらに、先発して長いイニングを投げる場合なら、まず立ち上がりのボールがどれだけ指にかかっているか、セットポジションでも球威が変わらないか、球種を変えたときに変化が甘くならないか、そして根気強さ……。  数え上げればキリがないが、スカウトたちが選手を”見る”というのは、そういうことだ。

 

また、こんな場面に遭遇したことがあった。読売ジャイアンツ・菅野智之が東海大のエースとして奮闘していた頃だ。確か、アメリカの大学野球選抜チームが来日した時だったと思う。アメリカ選抜との試合に先発した菅野は、試合中盤に満塁のピンチを迎えた。クリーンアップ相手にどんなピッチングをするのかと思っていたら、菅野はマウンドからアメリカのベンチをじっと見下ろしていた。その姿はまさに仁王立ち。菅野は完全にマウンドを支配していた。

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「いいピッチャーというのは、マウンドを大きく使うものなんです。自分の部屋にいるように。打者を威圧するようにマウンドを降りて捕手からの返球を捕りにいったり、マウンド後方に下がって、ひと息入れてみたり。マウンドで思うように動いて、思うように使う。菅野はその代表格みたいなものです。彼はマウンドにいるだけで周囲を圧倒できる。そういう雰囲気を持っています。キャリアの浅い投手とかは、プレートの上で固まってしまうんです。僕も昔はそうでした」

 

そう言って笑ったのは、自身がそのマウンドで散々苦労したベテランスカウトだった。

そして、今年の夏の甲子園でのこと。ある高校に卓越した野球センスと技術を持った内野手がいた。

「彼のプレイは間違いなくプロ級。ウチのファームならすぐにレギュラーです。社会人野球のベテラン選手が高校生になりすまして、甲子園に出ているようなものですよ。とにかく、高校生離れしている」

スカウトの賛辞が続いた。

「ただ……」

そう言うと、一転、スカウトの表情が曇った。

「彼、凡打で走らないでしょ。一生懸命練習して、それで培(つちか)ったスイングで打った打球って、たとえ凡打であってもかわいいものなんです。自然と全力疾走しているものなんです。それが結果にしか興味を持たない。野球をゲームとしか考えていないのかなぁ。野球が大好きな選手なら、もっと打球に執着心っていうのか、『ヒットにしたい!』っていう気持ちがあるものなんです。だから、私は彼を推薦しません」

そう言って、あっさり切り捨てた。

野球がうまいのは当たり前。その中で台頭していけるのは、野球に対して狂気というほどのこだわりを持っている者だけ。そうした現実を、選手として何年も体感してきたそのスカウトにとっては、当然のことだったのかもしれない。

 かつて、自分が注目した選手の”素の姿”を見たくて、グラウンドの隣にある病院の屋上にあがり、選手の姿を追いかけたスカウトがいた。スカウトたちが練習や試合に何度も足を運ぶのは、その選手のプレイを見るだけではない。野球を通して見えてくる”人間”の部分を見極めるためである。

引用元 sportiva





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