スポラバ

大阪桐蔭、スラッガー養成学校の謎



一つの高校から、プロで大成する強打者が次々と生まれている。
彼らの打棒はいかにして鍛え上げられたのか。
指揮官の言葉から、猛打の秘密を探った。

images (22)

 

今、大阪桐蔭高校出身の強打者たちが、球界を賑わせている。

中村剛也、西岡剛、中田翔の実績は改めて紹介するまでもないだろう。中日の平田良介は“飛ばないボール”の過去2シーズン、2ケタ本塁打を放ち、今季途中から西武の四番に座る浅村栄斗も、すでにキャリアハイを上回る12本塁打をマークしている。

彼らは高校時代からよく打った。通算本塁打数は中田が87本、中村83本、平田70本。これはいずれも歴代10傑に入る数字だ。現3年生にはプロ注目のスラッガー、森友哉が控えている。“桐蔭派閥”は候補生も有望なのだ。

大阪桐蔭はなぜ、これほどの強打者を次々と輩出することができるのか――。

まず誰もが考えるのは、「そういう素質のある選手を集めているからだ」という、やっかみ混じりの“素材説”ではないだろうか。

だが、監督を務める西谷浩一は、その仮説をやんわりと否定する。

 

素質のある選手を「かき集める」のではなく「選んでいる」。

打撃指導について語る西谷監督。
「時間の許す限り、中学生の試合を見に行ったりはしていますが、専属のスタッフがいるわけではありません。そもそも直接交渉することは禁止されてますからね。良いと思った選手がいても、チームの関係者に『ぜひ来てもらいたい』ということをお伝えするだけで、あとは本人次第。よその学校と同じですよ」

確かに、大阪桐蔭の部員は大半が関西圏の中学を出ている。ボーイズリーグの盛んな関西が有力選手の供給源になっているという事情はあるにせよ、地方の強豪校に比べれば“留学生”は極めて少ないと言える。

人海戦術で金の卵を「かき集めている」のではないとしたら、“素材説”は次のように定義し直すべきではないか。つまり、スラッガー続出の理由は「そういう素質のある選手を選んでいるからだ」と。

西谷の言葉がそれを裏付ける。

 

「まず見るのは、1球目から振っていけるかどうか」

「まず何を見るかと言われれば、1球目から振っていける選手かどうか、という点です。ボールを見て、見て、という子はどうしても時間がかかる。普通、球技というのは攻撃する側がボールを持っています。でも野球だけはディフェンス側、つまりピッチャーがボールを持っている。バッターは攻撃側なのに、受け身にならざるを得ないんです。だからこそ、積極的に振っていけるか、そういう気構えのある選手かどうかが大事だと考えています。平田や浅村なんか典型的ですよね。彼らは中学の時からそれができていた。技術云々より、性格的なことが大きいと思います」

 

実戦形式の打撃練習を毎日やることで、常に真剣勝負の雰囲気を。

西谷の眼力が、好戦的な素質を備えたバッターを自然と選び出してきた――そういう意味の“素材説”なら、一つの答えとなりうるのかもしれない。

しかし、もちろんそれだけでは不十分だ。第二に検証すべきは、“練習説”だろう。大阪桐蔭の猛打の秘密は、打撃練習の内容にこそ隠されているのではないか。

「チームとしてすごく振り込んでいるかと言ったら、そんなことはありません。ただ、よその学校と違う点があるとすれば、実戦形式の練習を毎日やっているということ。シートバッティングや紅白戦という形で、バッティングピッチャーではなく、あくまで本職のピッチャーが抑えにかかって投げてくるボールを打つ。ピッチャーにとってもアピールの場です。打たれれば自分がメンバーから外れてしまうわけですから、常に真剣勝負ですよ」

雑誌「Number」832号抜粋

 

なるほどですね説得力がありますね!

 

スポンサーリンク

▼「この記事を友達に自慢しよう」

▼「いいね!」を押して最新記事をいち早くゲットしよう!▼